将来負担と不透明感募る日本社会〜不動産業と住まいのあり方を考える〜(セミナーを受講してきました)

だいぶ時間が空いてしまいましたが、先日都市再生ビジネス交流会「あかさか50」の研修会に参加してきました。

テーマは「将来負担と不透明感募る日本社会〜不動産業と住まいのあり方を考える〜」、講師は住宅新報の本多様でした。


日本という國が定まらないなかで、不動産業はどんなビジョンを描けば良いのか。
未来が定まらないからこそ、未来を自分たちで創ることができる!

そんな頭書きから始まるレジュメに沿った講演でした。


まず、賃貸住宅市場の改革について。

そもそも、お客様である入居者に対してお礼を言う習慣が家主さんにも管理会社さんにもありませんよね?
・・・たしかに。


真のサービス産業になるためには、定期借家権を普及させれば良いの提言がありました。


理由1 普通借家権は借主を厚く保護していて、家主はハナから不満とリスクを抱えている
  
  2 外国人入居者の増加が見込まれるなかで、グローバルスタンダードは定期借家権
    多様な入所者が暮らしやすい環境を実現するためには生活ルールの厳守が絶対条件
    =定期借家権の必要性
  
  3 住宅弱者の受け入れが必然
    →多様な事情を抱えた人たちが共に生活をするためには生活ルール厳守が必須

さらに、定期借家権を上手に活用することで、サブリースよりも少ない負担で、安定的な賃料収入を見込むことができるというお話しもありました(詳細は省略)。



一方、これからの不動産業が進むべき道として提言されたのは


戦略1 過去の概念を破って、本当の”社会貢献型産業”になる
プロとしての知恵・アイディア・技術をもって「社会に貢献したいという熱意」が求められている。


戦略2 徹底した差別化を図る
「マーケットイン」から「プロダクトアウト」に。ハードでの差別化は困難に→ソフトで勝負。


また、長寿社会を豊かにするのが”人間産業”としての不動産業の大きな役割になるということで...


例えば、虎の子の自宅からの資金調達手法「セールアンドリースバック」や「リバースモーゲージ
「所有」と「利用」の分離・・・シェアエコノミーへの応用の発想。


少子化を招く核家族の時代的使命は終わった。
親から子へ、あるいは孫へと代々継承する・・・疑似家族によるシェアハウスやコレクティブハウスへの応用。

というお話しがありました。


最後に、
不動産業界の最大の特徴は、あらゆるサービス業のなかで最も”一期一会”の要素が強いこと。


その一度きりの出会いにどこまで真心でサービスができるかが重要であり、これが不動産業が人間産業だと言われる究極の由縁であるが、不動産業界の一部では”一期一会”産業から脱却する動きも始まっており、これからは終身で誠意を尽くすという、最も難しい意味において”人間産業”に近づいていかなければならない。

というお話しを頂きました。


最近詠んでいる書籍のテーマ等ともリンクしていて、非常に興味深い内容でした。
良く咀嚼して、新年以降のビジネス展開に活かしていきたいと思います(^^)