ABLで大切なこと

2月に実質的な営業をスタートしてから、様々な場所で当社のビジネスであるABL(Asset Based Lending)についてお話しする機会を頂いています。

その度にいろいろなご意見を頂き、融資の精度を上げるための参考にさせて頂いています。

当社の融資は、施主とビルダーとの間の工事請負契約に基づく請負代金請求権(債権)を担保にさせて頂く仕組みです。

債権(Asset)を担保にした(Based)融資(Lending)ですから、債権保全スキームの精度を上げていき、リスクヘッジしていくことが重要になります。

一方、担保保全と同じくらい、もしかしたらそれ以上に大切なものがあります。

それは、当社とビルダーとの間の信頼関係の構築と、それを継続できる仕組みづくりです。

悪いことを考えているビルダーへ融資をして、万一貸倒れが発生した場合でも、担保保全スキームがしっかりしていれば回収には何の問題もありません。

しかし、ビルダーの都合で工事が中断されるようなことがあれば、施主をはじめ関係者の方々に、精神的な負担をお掛けする可能性がありますので、極力回避しなければなりません。

そこで当社では、ビルダーに融資をさせて頂く前提として、登録ビルダー制度を採用しています。

登録のためには、決算書・試算表・受注工事一覧などを提出して頂き、現在の財務状況・受注案件毎の収支、そして当面6ヶ月の資金計画についての情報共有が条件となります。

試算表や受注案件毎の実行予算書、そして資金計画(資金繰り表)に関しては、作成していないビルダーも多く、負担に感じられることもあると思いますが、財務管理体制の整備は経営上必ずプラスになりますので、登録を機会に準備してもらっています。

月に1回試算表・受注工事一覧・資金繰り表を更新して頂くことにより、予実をお互いに確認しながら取引を継続していくことで、信頼関係を構築させて頂きます。

この信頼関係が、金融機関のいわゆる与信となりますので、新たに銀行との取引を始めようとしたときに、上記の書類を提出して、継続的に実績を示すことができれば、非常に良い評価材料になると思います。

このように、お互いに顔の見える間柄で、融資資金を良質な住まいづくりに活用して頂く、というのが当社エスクローファイナンスのABLを提供するうえでの基本方針です。