不動産市場の現状と今後の展望(セミナーを受講しました)

先日、住宅産業研究会のセミナーを受講してきました。

講師は株式会社不動産経済研究所の角田さんで、テーマは「不動産市場の現状と今後の展望」でした。

今年は、シェアハウス問題とそれに伴う投資用物件、特にサラリーマン大家さんが行うアパート投資への金融引き締めがありましたが、この流れは、来年に入ってからも当面続くのではないかと思います。

アパートの買取再販事業を中心に事業展開をしてきた中小の不動産業者のなかには、三為を想定していた物件が出口を迎えられず自決し、さらには在庫が滞留している状況の会社も多いように感じています。

収益物件の流動性が限定的な環境では、金融機関の物件評価も厳しくなり...ということで、状況の改善には時間がかかりそうですね。

一方、大手の不動産会社は、実需の物件が、その仕入環境や販売状況から収益化できていないものの、大規模開発や分譲予定のマンションの収益物件化、ホテル物件への投資という資金力を活かした事業では一定の利益を上げているようです。

今後は、金融機関による企業の選別がますます進むものと思われますので、今現在資金力の無い会社は、同じ土俵で競争するのは、あきらめた方が良さそうです。

中小企業としては、手間ひまがかかるスモール・ビジネスで競争力をつけるというのが現実的な活路なのでしょう。

セミナーでも、「転貸・シェア・改築・IOT」というキーワードが挙げられていましたが、「競争して物件を仕入れ、時間面も含めたリスクを取って開発し、販売リスクを負う」というビジネスモデルからの転換をできた企業しか生き残れないような気がします。