動産・債権担保による新資金調達入門

『動産・債権担保による新資金調達入門(高野善松著・ビジネス教育出版社)』を読みました。

ABL(AssetBasedLending)についての本ですが、基本的な知識が分かりやすくまとめられていました。

当社でも、ビルダーさんと施主さんとの間の工事請負契約に基づく“請負代金請求権”を担保に融資をさせて頂いています。

この本でも書かれていましたが、ABLの場合、企業の内部統制の仕組みの完成度が融資の可否を左右します。

従来の不動産担保主義と異なり、ABLの場合には、営業上取り扱う商品や債権からのキャッシュフローを担保に融資をします。

不動産を担保に融資をした場合には、万一の場合にはその不動産の売却代金から回収ができる可能性がありますが、ABLの場合にはそうはいきません。

従って、これまでの実績や現在の財務状況もさることながら、融資をした後、商品や債権が社内でキチンと管理されて、キャッシュフローから確実な返済が見込まれることが重要となります。

当社では、借入を希望されるビルダーさんが、何らかの事情があり債務超過になっていたり、赤字決算が続いているような場合でも、融資を検討させて頂いています。

現在の財務状況を正確に把握し、今後の資金繰り計画を作成して頂いたうえで、当社の資金を活用して工事を継続していくことができるのであれば、一緒に資金繰りをチェックしながら融資させて頂きたいと考えています。

一方、現在の財務状況に不明瞭な点があったり、資金繰り表や受注管理表が作成頂けない場合には、決算書の内容が良くても、不安で融資ができません。

貸す側・借りる側に、裏付けのある信頼関係が継続することで実現する融資だと思いますので、意見と情報を交換することで、これまで貸す側・借りる側がお互いに感じていた不信感を払拭し、フェアな関係で取引できる土壌をつくっていきたいと思います。