家族信託に立ち会いました

昨日、家族信託の契約に立ち会いました。

兄弟が共有で持っている不動産について、弟さんの持分をお兄さんに信託するというものです。


目的は、資産の保全でした。


弟さんがカードローン等で借入をして、まとまった金額になってしまうとお兄さんが支援するという状況が繰り返し起きてしまっていました。

このような経緯で、弟さんがご自身の持分を担保に資金調達をしたり、更には差押がなされたりという可能性も懸念されました。

幸い、弟さんも、これまでの状況を改善する意思を強く持っていましたので、一旦これまでの借入を書面化した上で、不動産の管理処分についてはお兄さんに一任することとなりました。


弟さんの持分をお兄さんに譲渡(売買)し、借入金の清算をすることも検討しましたが、相続で取得した不動産であり、譲渡による弟さんの所得税負担は高額で、お兄さんにも不動産流通税(登録免許税・不動産取得税)が発生します。


そこで信託の活用となりました。

弟さんの持分をお兄さんに信託することにより、弟さんは、勝手に持分を譲渡したり担保に提供することができなくなります。

このことは、弟さんには良い意味でのあきらめを、お兄さんには安心感をもたらします。

弟さんにとっては、これまでのお兄さんの支援に改めて感謝する機会となり、お兄さんにとっては、弟さんの生活が健全化するまで安心して見守っていく仕組みが提供できたと思います。

こんな活用もアリですよね(^^)