最新の不動産市況と対応策
先日、住宅産業研究会の研修会に参加してきました。
講師はネットワーク88の幸田代表、テーマは「最新の不動産市況と対応策」でした。
備忘的に内容をまとめておきます。
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アベノミクスは企業・富裕層に追い風。
選別融資の傾向が強くなっている。
平均値の時代が終わり、格差の時代に。
【最新の不動産市況】
住宅市場においては、高価格帯の物件が売れなくなっており業者物件の在庫が増えている。
一方、中古の戸建で安価なものは好調。
賃貸市場においては、物件や地域の個別性が強く、平均データは意味を持たなくなっている。
事務所は地方中枢都市の空室率が低く好調。物流施設は賃料が上げ止まっている。
投資市場においては、取引量の減少傾向が続く。
選別融資が進むなかで、金融機関の顧客との取引が無難。
地価動向としては、価格は二極化しているが、需要の高い物件は、高止まり品不足の傾向が続く。
【今後の市場展望】
「利便性」で二極化が進行。
少人数所帯の増加や高齢化に従い、「広さ」から「利便性」へのシフトが進む。
「高齢化社会」を反映した動きに。
戸建からマンションへのシフトが進む。
高齢者の住み替え、老後資金の捻出、相続関連の売却といった高齢化に伴う取引ニーズが増加。
「格差社会」の出現で変化。
階級社会においては、「価格」ではなく「価値」での選択が増加する。
IPO等により年収1億円以上の富裕層の数は、ファンドバブルの時の2倍の水準となっている。
【営業・事業戦略】
・買主の「与信力」を事前に確認
選別融資が進行しており、融資が受けられない購入希望者と関わっても効率は上がらない。
・「商品化」に注力
売主の希望価格をどのように調整するかで「商品化」できるかが決まる。
・多様化した「顧客ニーズ」の把握
売買や相続におけるヒアリングの重要性が高まる。
老後の生活設計や資金計画のプランニングが求められる。
競合他社との競争では無く、顧客の知識との勝負となる。
・高まる「経営リスク」を念頭に
過大な借入や在庫リスクを避け、組織・財務・経費のメタボ体質を防ぐ。
景気は緩やかに減速し、低迷は長期化する。
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以上、非常に参考になる講演でした(^^)