日本の不動産は黄金期に突入する

先日REB1000社の会という不動産業者さんの会合で講演を聴きました。


テーマは『日本の不動産は黄金期に突入する!−地獄への道は善意で敷き詰められている−』講師はドイツ銀行の大谷洋司さんでした。


マクロでは、いわゆるアベノミクスの第一の矢(実質金利の低下・過剰な預貯金への愛を壊すこと)と第二の矢(緊急経済対策・公共投資の大幅増加)により不動産マーケットは回復したが、消費税増税や緊縮予算により放った矢がブーメラン化し、第三の矢で決定的なダメージを受けることになるとの見解でした。


第三の矢である規制緩和(国家戦略特区・電力自由化・TPP・派遣法改正)いずれも、経済的にはプラスの要素は無いばかりか、デフレの加速や、内需経済の縮小につながるとのこと。


アベノミクス機能不全の次のカタリストは、やはり第一の矢と第二の矢の戦略を徹底するということで、実際、英国ではこれにより実質GDP成長率が回復した実績があるとのことです。


ちなみに、一昨年、昨年と不動産セクターの株価は大きく値上がりしましたが、不動産セクターの株価と実物不動産の価格は8ヶ月〜1年の時間差で連動しているとのことでした。


年初来、不動産セクターの株価は20%ほど下がっており、これが戻って来なかったり、さらに下がったりした場合には、半年後くらいに実物不動産の価格が下がるのではないかということでした。


結論としては、今年は踊り場になり、楽観は禁物だが、逆に投資機会を提供する可能性もあるとのことでした。


ミクロでは、

リニアが一気に大阪までつながるかどうかが、大阪の盛衰が大きく左右する。

リニア始発駅が品川駅になったことで、丸の内が普通の街になり、オフィスの軸は品川に。

東京オリンピックに向けて湾岸エリアが盛り上がる一方、再開発計画の失敗もあり、渋谷は負け組になる。

北陸新幹線の開通により、金沢で支店経済が成り立つようになり、海底資源の発掘とBCP対応で工場投資が増加する。

TPPにより礼金借地借家法等古くからある慣習は撤廃される。

などなど、非常に興味深く拝聴しました。ありがとうございました。