有活いろいろ

先日積水ハウスさん主催のセミナーに参加してきました。

同社が不動産所有者に提案しているソリューションの紹介でした。

まず、社宅・独身寮の不動産活用について、ということで、スケルトン・インフィル方式の説明がありました。

事業会社が福利厚生の一環として社員の方に提供していた社宅について、老朽化により入りたい人が少なくなったり、晩婚化等によりそもそも社宅ニーズが減少している環境下で、事業用地として、もしくはリノベ用物件として売却するケースが多いと思いますが、同社のスケルトン・インフィル方式を活用できれば、ローコスト・ローリスクで収益を生む資産になりますよという提案でした。

構造躯体の工事(防水・耐震等)は所有者が負担し、積水ハウスがそれを一括で借り上げて、インフィルを施工、賃貸するというもの。

たしかに、この方式であれば工事費の絶対額は抑えられ、土地評価+建物の改修後の価値をもとに資金調達も可能かもしれませんね。


次に紹介があったのがシェアオフィス事業とレンタル収納事業。

いずれもニーズは見込まれる一方で、認知度は低く手がけている会社は少ないという事業だと思います。

大きな事務所や倉庫を1社(者)で借りられる人は限られていますので、それを小さく区切る&施設を共用することで、借りてもらいやすくする+賃料単価が高くなる(レンタブル比は下がりますが)ということですね。

いずれも、土地所有者が建物を建てて、それを積水ハウスが一括借り上げする方式と、建物譲渡特約付事業用定借で積水ハウスが建物を建てる方式での取組が紹介されました。

これまでの両事業は、既存の建物をコンバージョンするケースが多かったと思います。
新築で収益性を確保するためには、(特にシェアオフィス事業では)立地が限定されるのではないかと思います。


最後に紹介があったのがサ高住への取り組み。

現在のサ高住は介護・医療事業者が運営する25㎡未満の比率が高く、要介護の方に入居して頂くことで、介護報酬を収益源として計画されているため、介護サービスの囲い込みや過度な提供が課題となっているとのこと。

一方で、現在の高齢者数3,296万人に対して自立した高齢者は2,702万人と82%を占めていますが、30㎡のサ高住は東京で供給数の18%、大阪では3%しか無いとのこと。

積水ハウスでは40㎡タイプを中心に提案していているとのことで、介護事業者との連携がポイントとなると思いますが、差別化という点からは興味を持つ地主さんも多そうです。


最初の提案は趣旨が違いますが、今後ますます、運営が肝になる手法をいかに検討するかという観点が重要になると改めて感じたセミナーでした(^^)