最新の不動産市況と今後の戦略

先日、住宅産業研究会のセミナーに参加してきました。

講師はネットワーク88代表の幸田昌則さん、テーマは『最新の不動産市況と今後の戦略』でした。

まず事業分野ごとの最新動向についてですが、やはり中古マンション・戸建てとそのリフォーム市場が活況との話がありました。

ちょっと面白いなと思ったのが、中古マンションのマーケットが良いので、所有していたマンションを売却した若年層が、郊外の戸建てを購入するという動きが出てきているとのことでした。

若年層が郊外に、年配の方が都心にという動きは増えるのでしょうか?
前者は懐疑的ですね。

中古マンションマーケットの活況も、やはり価格次第で、湾岸エリアのマーケットはもう上がりきったのではないかとの見解でした。

一方新築マンションでは売れ残り物件が非常に多く(何と6割程度ではないかとのこと!)、築後5年経過していてもまだ完売していない物件もあるとか。
金利で、売却を急ぐ必要が無いため、このような状況が起きているとのこと。
(特にS不動産さんでしょうか?)

売買マーケットでは、富裕層=資産防衛型需要、低価格=生活防衛型需要というように需要が二極化しているとのことでした。


一方、今後の市場動向としては、建築コストが高止まりしている状況で、本格的なストックの時代を迎えることになるというお話しでした。

所有者の交代(中古物件の売買)、リフォームや管理の事業に可能性がありそうですね。

820万戸の空き家に流動性が期待される一方、建物の高齢化問題にどう対処していくかが課題とのこと。

また、売買マーケットにおいては、価格で買う人(上記の低価格=生活防衛型需要)と価値で買う人(同富裕層=資産防衛型需要)の「格差社会」に合わせた戦略が必要とのお話しがありました。


最後に今後の事業戦略について、視点としては
1.対象顧客を決める(既述)
2.地元密着から顧客密着へ(大手と競合しない秘訣。顧客との人脈を強化する。)
3.拡大する分野と縮小する分野を認識する
(権利調整や企業相手の仲介、非住宅が面白い?建売から土地分譲へシフト)
ことが必要なのではないかとのこと。

また、ますます人材の格差が拡大することとなり、顧客との競争に勝ち残った企業のみが生き残ることができる(負けると生き残れない)ようになるのではとのことでした。

全体的には、今後20年間は市場の成長は続くというお話しがありました。

デベロッパーの市場は縮小する一方、商品である売買物件は、不動産所有者が代わる、会社経営者が代わるという機会が増加するので供給は継続するのではないかとの見解でした。


非常に参考になるセミナーでした(^^)