新・観光立国論
新・観光立国論(デービッド・アトキンソン著・東洋経済新報社)を読みました。
日本が観光立国になるためには、多様性・投資・マネタイズの視点が必要とのこと。
ホテルの例が挙げられていましたが、たしかにホテルチェーンが同じようなホテルをバンバン建ててきていますね。
事業計画上は、これまでの焼き増しの方が取り組みやすく、ファイナンスも受けやすいという面がありますが、同じような施設しかないと、同じような観光者しか来ないというのもまた然り。
これまであまり来日していないヨーロッパやオセアニアの方々に来てもらうためには、その方々のニーズを酌み取って、受け入れられる体制を整える必要があるのでしょう。
投資という面では、文化財への投資も必要です。
寺社仏閣をはじめとした文化財は、その背景を知ることで、よりその良さが分かるようになります。
観光客から見ると、日本の文化財は現地での解説が断然不足しているようです。
「おもてなし」は、観光客の方々に満足をしてもらっていると思っていましたが、考え直す必要がありますね。
文化財の付加価値づくりや将来に向けての維持保全のためには費用がかかります。
この費用を賄い、観光資源化して、観光収入を増やしていくためにも、マネタイズの視点が必要です。
文化財について言えば、ガイドの有料化や観光メニューの多様化によるマネタイズのアイデアが挙げられていました。
「おもてなし」を無償のサービスにするのでは無く、観光客から求められるサービスを、ちゃんとお金を頂いて提供するという工夫ができれば、事業化が可能となるのでしょうね。
角度を変えて(海外からの視点)で既存のサービスを見直すことで改善点や新たな事業につなげるという点で参考になりましたし、今後有望な観光ビジネスの中で何ができるかな?と考えるきっかけになりました(^^)