リバースモーゲージ

全住協では、東京大学と共同で、後見人制度における不動産関係の支援について研究しています。

私もそのメンバーとして、主にファイナンスや信託絡みの分野の勉強をしています。


その関係で、先日、住宅ローンについてのご相談を頂き、お話しをお伺いしました。

ご相談頂いたのは70代の方で、元の住宅金融公庫で住宅ローンを組んで、都内でマンションを所有している方でした。


金利等が、借入当初のままだったこともあり、定年後は住宅ローンの負担が重く、今のところはお仕事もできるので返済できているけど...とのことでした。


住宅ローンの内容を拝見すると、金利は4%前後で、月々の返済額は16万円強でした。
管理費と修繕積立金が月々2万円強かかるので、合わせて18万円以上の支払いが必要になります。

今の状況で、万一ご主人が体調を崩して働けなくなったりすると、年金だけでは相当厳しい状況になってしまいそうです。


一方で、年齢と現在の融資残高を考えると、借り換えはコスト倒れになってしまう状況でした。
マンションを売却しても、その後は賃料を支払わなければなりませんので、手元に残る資金だけでは、その後の生活に不安が残ります。


気持ちの面で余裕を持つためにも、何か対策を準備しておきたいですよね。


ということで頭に浮かんだのがリバースモーゲージでした。


現在の住宅ローン残高分をリバースモーゲージで借り換えることができれば、その後は金利だけを支払うことで、住まいは確保できます。

金利を計算してみると、設定されている高めの金利で計算しても月5万円弱でしたので、だいぶ負担が減りそうです。


所有者であるご主人に万一相続が発生した場合には、相続人で検討して、(1)例えば奥様名義での借り換え、(2)売却による弁済と手元資金の確保等々の手続きを取ることができます。


今後、不動産は持っているけど手元資金は心許なかったり、体調がすぐれないので、一時的に施設に入るための資金が必要などといったご相談が増えてくると思います。


対策の一つとしてこれからもリバースモーゲージを研究していきたいと思います。
(当社の事業に結びつけていくことも併せて(^^))